尿酸が高いと言われたら 〜無症候性高尿酸血症の診断と薬物治療〜

院長

大庭 義人


尿酸が高いと痛風発作を起こすことが有名です。
最近は健康診断などでたまたま発見されて、特に症状の無い「無症候性高尿酸血症」の方が増えています。
こうした場合、尿酸がどのくらい高ければ高尿酸血症というのか、またどの時点で薬を飲み始めたらよいのかは、一般医のあいだで意見が食い違うことがあります。
こうした混乱を回避するために専門家の集団であるプリン・ピリミジン代謝学会がガイドラインを作っています。

今回はその方針に従って、尿酸値と薬物治療の必要度についてチェックしてみましょう。

高尿酸血症の診断

★尿酸値は7.0g/dl以上か?
最近は、男女を問わず血液の尿酸値が7.0以上の場合を高尿酸血症とすることが一般的です。
検査施設によっては、男女ごとに正常値を設定し、男性では7.0以上あっても正常、女性では7.0未満であっても高尿酸血症と判定されるケースもありますが、基本的には7.0以上を異常と考えてください。

尿酸値が7.0以上、8.0未満の治療方針

さしあたり、非薬物療法 注1(食事、運動療法)で経過を追います。

注1 高尿酸血症の非薬物治療のポイントは「やせる」こと。食事療法は特定の食物を制限するのではなく、カロリー全体を低目に抑えることを心がける。

尿酸値8.0以上、9.0未満の治療方針

以下の@〜Gのいずれかにあてはまる場合は薬を飲んだ方が良いでしょう。

    @ 腎臓病
    A 腎結石(既往も含む)
    B 高血圧
    C 高脂血症
    D 狭心症、心筋梗塞
    E 糖尿病
    F 肥満(BMI 注225以上が)
    G 血縁に痛風、高尿酸血症の人がいる

注2 BMI体重(kg)身長(m) × 身長(m)

尿酸値が9.0以上の治療方針

他に問題が無くても、薬を始めた方が良いでしょう。